棲み家は森の中

富士山山麓の小さな山荘に棲み始めました。深い森の広がる静かな環境で生活をしていると、森の声が聞こえてきます。

縄文土器に魅せられて

 最近の我が家のトレンドは縄文時代です。はじまりは、朝のラジオ放送で武田鉄矢さんの今朝の3枚おろしと言う番組があるのですが、このなかで4月ごろに縄文時代が取り上げられたことからです。

 かつて生前の岡本太郎さんが縄文土器の芸術性を見出された。そのころから興味を持ってはいたのですが、改めて詳しく知りたくなりました。

 ところで、縄文時代と言うのは約1万5千年前から約3千年前までの1万年以上長く続いた時代で、日本特有にみられる現象です。世界では新石器時代にあたり「農耕や牧畜」をおこない定住生活に入っている時代なのですが、この日本の縄文時代では、人々は土器を製作しながら「狩猟と採集」を生活の糧とした定住生活をおくっていた、しかも1万年以上も続いた。

 このころの日本列島は温暖で自然の恵みが豊かで、争いごとの少ない平和な時代であったらしい。しかも島国のために他国から攻められることもなく、縄文文化が花開いたと考えられます。国家を作ることなく、全国的に黒曜石やヒスイなどで交易をしていた。その一方では地方特有の文化を育てていったという、うらやましい時代です。

 さて、そこで調べてみると、中部地方縄文時代の遺跡が多く発掘されていて、もっとも発達していた地方のひとつだったようです。見るのが一番というわけで、連休明けを待って甲府にある山梨県立考古博物館に行ってきました。

 入口に至るアプローチでは、縄文土器の大きなポスターが連なって、期待が膨らみます。

 この博物館の展示品は写真撮影がOKとなっています。帰ってからも楽しめる、うれしい処置ですね。縄文土器は大きくは煮炊きをするために使う土器と人を形どった土偶に分かれます。その一部を紹介します。

左は深鉢型土器、右の女性は土偶で愛称いっちゃん=この博物館のマスコットで、笛吹市の一の沢遺跡で発掘されたもの。なんともいえない優しくユーモラスな表情をしています。

 つぎは縄文時代の名人が作ったとされる深鉢型土器で72cmにもなる大型。履歴書によると、海外渡航歴多数。

 こちらは土偶の展示。右奥の2体を拡大してみると。

 左は妊娠した女性像です。右は気合の入った男性像かな? 顔の表情がいいですね。

 そのうちに、土偶と土器が合体したものが出てくる。顔面把手付土器。この形の土器はいずれも中央部が膨らんでおり、妊娠した土偶から進化したものと考えられています。

 このようなキャラクターも。

 真ん中の顔は出産の時を表しているらしいが、とにかくダイナミックとしかいいようがない。

 その他にも、多数の土器や土偶、説明の展示があり時間が経つのも速かった。

屋外には、古墳時代前方後円墳が復元されており、上に登ることができます。

古代史を堪能した一日となりました。ますます、はまりそう~。

ではまた。