このところ台風の影響で富士山麓は雨模様が続いています。暑さもひと休みでほっと一息。
ところで、今回の話の浸透桝というのは下水を浄化槽で処理をする場合、最後に地面に浸透させるための設備のことです。コンクリートの桝が地下深くの浸透層に届くまで積み重ねられていて家庭の排水を全て引き込んで処理をしています。
この浸透桝は普通に使っていると問題なかったのですが、今年の5月のこと、風呂の水を流した時にオーバーフローしてしまいました。設備の人に調べてもらったところ、浸透桝が長年使っているために目詰まりを起こしたらしく、少量の炊事などのときは何とか処理できていたのが、浴槽の水を一気に流したためにオーバーフローしたようです。しかも前日は大雨で地面もたっぷり水を吸っていた。今後の対応策としては、追加の浸透桝を増設して、そこに排水を引き込むことになりました。
都市部に住んでいるといつの間にか下水道のお世話になっていることを気にしていなかったのですが、ここ山麓の住宅では個別の浄化槽で処理をしているため定期的なメンテナンスが必要となっています。また我が家のような30年ほど前の設備では、一般排水の台所や風呂の水は直接浸透桝にながれこむために目詰まりし易い構造となっています。特に台所排水の油脂成分が目詰まりを起こしやすいとのこと。
ということで、7月になっての工事となりました。工事には重機を使うのですが、そのためにまずはその重機で我が家の斜面へ道造りから始まりました。結構急な斜面をガシガシと削っては均しながら道を作っていきます。さすがです。ベテランの技。
こんどは作った道を下っていき、孔を掘っていきます。
結構深い孔ができてきました。
深さはというとなんと2m超え、落ちたらひとりでは上がれません。なんでも表層をけずり更に土の色が黒く変わるところまで掘るのだそう。
その深さから、浸透桝となる四角のコンクリートを積み重ねて、そのわきに大きな石を詰めていきます。次から次へと石を運んでは落としています。かなりの力仕事。
詰まったところでダクトを旧桝から新桝へ繋いだら、土を戻し平らにならしたところで終了です。このように、土木工事を間近で見ていると、現場で対応する経験と重機の技には感嘆しかありません。しかも早い。
できあがりは右端が浄化槽、真ん中に旧浸透桝、左に新浸透桝。
最後には、皆さんと浴槽の水を流して確認しました。
こちらは旧枡への流れ込み。下の方には水が溜まっている。
そこからダクトで、新桝の方へ流れ込んでいきます。こちらは溜まらないでスムーズに浸透しています。ばしゃばしゃと流れてもまったく問題なし。これで安心です。
蓋を締めて無事完了しました。
その日は、早速、お湯を沸かし入浴しました! 温泉も良いけれど、森を見ながらの風呂も気持ちが良かった。
ではまた。