棲み家は森の中

富士山山麓の小さな山荘に棲み始めました。深い森の広がる静かな環境で生活をしていると、森の声が聞こえてきます。

水抜きのしくみ

 寒冷地では、冬季に水道管の水が凍結したり、酷いときには水道管が破裂したりします。この凍結を防ぐために在宅時には、水道管にヒータを巻いたり、水を流しっぱなしにします。ところで留守にするときには、水道管の中の水を抜くのが基本の対策となります。

 水抜きの手順としては、水道の元栓を締めて、全ての水抜き栓を開け、蛇口も開にすれば、水道管内の水が抜けると教えられていました。

 昨年の冬には、教えられたとおりの手順で水抜きをして退去したのですが、残念ながら見事に凍結をしてしまいました。幸いにも、屋外の給水栓は独立した配管で、水抜きの効果もあり凍結を免れていましたので、ポリタンクで水を運び生活は出来たのですが、長居が出来ずに引き上げざるを得ませんでした。

 この痛い経験から、水抜きについて調べたり、練習したりし始めました。今年は秋口から水抜きの練習を始め、いろいろと解ってきたことがあります。

 まず我が家の水道配管と蛇口の位置は、下図の様になっています。

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 ここで元栓は、給水管から屋内へ引き込む分岐で、屋外にあり凍結深度より深い地下に設けられています。この元栓には、竹村式不凍栓というものが使われています。その構造と原理を下図に書いてあります。この竹村式不凍栓は、竹村製作所で製造販売され、そのホームページによると昭和24年に発明されています。昭和40年に科学技術省長官奨励賞を、平成9年には特許庁長官表彰を受けています。日本の発明品で今では広く使われています。

 さて、その原理は、止水と水抜きを同時に行うという優れものです。給水時にはバルブは開いており、通水されています。止水・水抜きの時は、この図ではバルブが下方に移動し止水します、その移動により、バルブの中間部分に設けられた通路が開き、屋内側の水が排水桝を通して排水されるようになっています。水は自らの水圧=重量で自然と流れ出ることになります。

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 この自重で水抜きがされることで、いろいろと不都合なことが起きることになります。

 つづきは次回に。