棲み家は森の中

富士山山麓の小さな山荘に棲み始めました。深い森の広がる静かな環境で生活をしていると、森の声が聞こえてきます。

雨戸の戸車修理

 久しぶりにDIYの話を。

我が家の雨戸は杉板で出来ていて、高さが2.4mくらいあるために、6-7㎏はありそうな重量級の雨戸です。この雨戸が、入居したときから、開け閉めのときの動きが渋くかなりの力を必要としていました。しかも右に左に動かす必要も。

 毎日のことで気にはなっていたのですが、ようやく戸車の交換と問題点を点検することにしました。写真の雨戸は、杉の骨組みに、耐水性の杉板合板張りで作られています。

 さて取り外してひっくり返してみると。やはり戸車がかなり傷んでいます。しかも釘が一ヶ所のみで片方は止められていませんでした。

 戸車を外してみると、やはり片方には釘打ちの後は有りませんでした。最初から一本留? 下地の木材もかなり傷んでいる。これがやはりがたつきの原因。

 こちらは交換用のウレタンレールの戸車。釘だと抜ける畏れがあるので木ねじで止めます。

 ペーパーヤスリで磨いたら。戸車を木ねじで止めていき、出来上がり。

 こちらの雨戸は、戸車を外すと木部が割れていた。これじゃー開閉でがたつくはずー。ということで、裂け目の中まで接着剤をぐりぐりと流し込む。

 びっちりと詰まったところで、ビニールを当てて、ジグで圧着する。

 一日経ったところで、そろりそろりと戸車をねじ止めする。

 さいごに、サンダーでレール部分を磨き上げ、ろうそくの切れ端ですりすりとロウ付けする。

 これで雨戸の再生が終了。

 ところが、雨戸を入れようとすると、戸車がじゃまして入らない。なかなか簡単にはできないものです。しょーがない、敷居の縁を2ヶ所ノミで削り込む。

 これで、ようやく3枚の雨戸が嵌った。動かしてみると、するすると簡単に滑るように戸袋に入っていく。よしよし。

 同様にして、DKの2面が完了。ことのついでに洋間の雨戸に取り掛かる。こちらは高さが1.8mで多少は軽い。外してみるとここには戸車は使われていなかった。重いはず!

さて、ここからは手慣れたもの。少しだけノミで削り込み、段差を付け。

 レールの高さを確認したら、ねじ止め。2ヶ所つけて完成。

 敷居の方は、同様にしてレールの当る2ヶ所をノミで削り。無事、嵌った。

 修理した昔ながらの杉板雨戸と戸袋。軽くなった雨戸は開けたり閉めたりが楽しい。

 さて、ここらで昔(とはいっても30-40年前のこと)の雨戸の工夫について一筆。

1面に付き3枚ある雨戸のうち、最後の扉=戸袋側には、上下にストッパーが付いています。写真は下側のストッパー。扉の内側についている木の棒がスライドして、敷居の孔に入るようになっています。侵入防止ですな。

 ところで上側はというと。写真はストッパーが解除されている状態。

 ロックするには、木の棒を写真の右方向へスライドさせ。

 するとコマが上へ動くようになり。上へスライドすると。

 ロックされ、重さで落ちてこない作りになっている。

 加工の部分を見ると結構複雑。細かい加工がされている。

 ところで、これはどうやって組立たのだろうか?

しばらく考えてみた。

結果、最後に機構部品を入れ込むのはムリそう。

骨組みを組み立てる時に機構部品も組み込んだのち、最後にカバーとなる杉板合板を釘付けしたのであろう!

 いやー、昔の職人さん(とはいっても昭和)のひと手間の仕事は凄いですね。

ではまた。